雨の匂いが好きだ。
小さい頃、好きな過ごし方は何か?聞かれた時に「雨の日に、雨の当たらない屋外にいること」と答えていた。
決して雨に打たれる事が好きな訳ではなく、広い公園にある東屋や、河原の大きな木の下、そういった場所で雨が降っているのを眺めているのが好きだった。
思えば、雨の音や匂いが好きだったのだと思う。
雨の音は、この街が忙しく働く音が耳に運ばれてくる事を疎かにする。
これは、拙著の中の一文だ。
いつの時代も、雨に対しては特別な思い入れがあったと思う。雨に出会うことはあまり難しい事ではない。僕の特別はとても身近だ。
この後、某所の公園に奴隷の一人を散歩に連れて行く。
素肌に白いブラウスと薄手のスカート、それに首輪だけを身に付けた状態だ。
公園の中で裸になったりはしない。ただ少しだけ、彼女にとっては刺激的な散歩になるかもしれない。
部屋に戻ったら、やわらかなタオルで彼女を拭いてあげよう。
調教の中でも羞恥調教が苦手な彼女にとって、これから勇気のいる時間を過ごす事になるだろうから。